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【核心】法政大中学高校「常軌逸した」体罰なぜ…(産経新聞)

 殴るける、半日にわたり正座させ、しびれた足をつまようじで突き刺す…。法政大学中学高校(東京三鷹市)が1月に実施した修学旅行で、教諭2人が執拗(しつよう)な体罰を生徒に加えていたことが発覚した。何が2人の教師を常識を超えた行動に走らせたのか。

 ■感情的にエスカレート?

 「“常軌を逸した行為”だった」。1月26日、会見した牛田守彦校長は体罰事件をそう表現し、陳謝した。体罰は1月14〜18日に北海道で実施された高校2年生の修学旅行で起きた。

 体罰をしたのは国語教諭と体育教諭の2人。他の教諭らは、体罰を知りながら止めなかった。

 修学旅行2日目。「携帯を持っている生徒は名乗り出るように」と命じたところ、45人の生徒が自己申告。数時間にわたる正座を命じられた。

 翌日夜。今度は男子生徒1人がスキー実習で、禁じられていたスノーボードをしていた、として正座と殴るけるの暴行を受けた。

 深夜になって、その生徒に加え他の2人の持ち物から、前日所持を申し出るよう言い渡されていた携帯電話ゲーム機、マージャンパイなどが見つかった。

 2教諭は夜通しで3人に正座を強要。没収したゲーム機が壊れるほど強く頭を殴りつけたり、携帯電話を壊したりした。

 「(すでに違反品所持を申し出た)45人との指導に差を付ける必要があると思った」。2教諭は後に、そう説明したという。

 朝食のため食堂へ集まった他の生徒たちは、憔悴(しょうすい)しきった3人の姿を目にする。

 だが、暴行はさらに続いた。教諭らは「3人の違反を知っていた」と名乗り出た6人に、正座を強要し暴行。「反省の仕方があるだろう」とはさみを渡し、髪を切らせた。

 「しびれた足に、つまようじを突き刺し、頭から水をかけた」「床に落ちたマージャンパイを入れたみそ汁を飲ませた」「生徒同士を対面させ、互いに相手の悪口を言わせた」。学校側はそう説明する。

 2教諭には過去にも体罰をふるい、校長から指導を受けた“前科”があった。

 体罰問題に詳しい東京女子体育大学の阿江美恵子教授は「一般論」とした上で、「(体罰の現場に)中途半端に複数の教諭がいると、かえって感情的になりやすく、エスカレートしていく可能性がある」と話す。ほかの教諭らが制止できなかったことについては「学校現場では、若い体育教諭に生徒指導を任せきりにしてしまう傾向が強い」という。

 法政高は、平成19年に男子校から共学化し、新たなスタートを切ったばかり。

 学校は「共学化となるにあたって、まず、私たち自身が襟を正したうえで、生徒には、はき違えた自由に安住させないことを強く意識しています」と指導方針を掲げていた。

 改革から3年。男子校時代の校風と、新たな校風が共存する中で、体罰は起きた。「管理強化と、今回の体罰が無縁だとも思えない」という声もある。

 今回の体罰は、インターネット上でも議論を巻き起こしている。「生徒が悪い」とする書き込みがある一方で、「一定の体罰は必要だが内容がひどすぎる」などと、さまざまな論評が出ている。だが、学校側は「指導の範疇(はんちゅう)を超えた暴力行為だった」とみている。

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